今年の通常国会が先週17日に閉会しました。
今回の国会で一番の注目だったのは新型コロナウイルス対策での補正予算です。
通常は年に1回の補正予算が、大体年初の通常国会で可決されますが、令和2年度はすでに2回の補正予算が組まれました。
令和元年度補正予算もそのまま継続しているので、
3本の補正予算と令和2年の通常予算と4本の予算が動く、まさに異例の予算執行となっています。
・拡充されている補助金
補正予算ではさまざまな予算がついています。新型コロナウイルスの影響を受けている事業者がもらえる持続化給付金や、雇用維持に利用する雇用調整助成金、この状況下でも積極的な取組を行う事業者がもらえる補助金などが代表的です。
特に補助金はサプライチェーンへの対応(A類型)や非対面販売への転換(B類型)、テレワーク設備の導入(C類型)を行う事業者について優遇する措置が取られています。
・特定の取組についての優遇策
ものづくり補助金では、一般型で応募する中小企業の場合は補助率が1/2ですが、A類型の場合は2/3、B・C類型の場合は3/4と優遇されています。
補助金上限額の1,000万円をもらおうとすると、1/2の場合は2,000万円以上の投資が必要ですが、2/3の場合は1,500万円以上、3/4の場合は約1,334万円以上の投資でよくなります。ものづくり補助金の他、小規模事業者持続化補助金とIT導入補助金でも同様の優遇があります。
・事業再開枠の設定
さらに、事業再開枠というものができました。ものづくり補助金と小規模事業者持続化補助金では、補助金の合格者が事業の再開を行うにあたり、新型コロナウイルス感染拡大防止策として必要な、次のような対策のための費用補助が最大50万円受けられるようになりました。しかも10/10の補助率、つまり満額補助されます。
・除菌剤の噴霧装置やオゾン発生装置、紫外線照射機などの消毒設備の導入、消毒作業の外注、消毒液・アルコール液の購入
・マスクやゴーグル、フェイスシールド、ヘアネットの購入
・清掃作業の外注、手袋やゴミ袋、石けん、洗浄剤、漂白剤の購入
・アクリル板や透明ビニールシート、防護スクリーン、フロアマーカーの購入や施工
・換気扇や空気清浄機などの換気設備の導入、施工
・クリーニングの外注、トイレ用ペーパータオルや使い捨てアメニティ用品の購入、従業員指導等のための専門家活用、体温計・サーモカメラ・キーレスシステム・インターホン・コイントレー・携帯型アルコール検知器などの購入
・従業員や顧客に感染防止を呼びかけるポスターやチラシの印刷費
・特定業種を支援
小規模事業者持続化補助金では、屋内運動施設とバー、カラオケ、ライブハウス、接待を伴う飲食店といった3密になりやすい施設(これらを特例事業者といいます)については、さらに50万円を上乗せして補助されるようになりました。
補正予算により、これまでの定番補助金がかなり拡充されてきています。関心のある方は、当センターにお問い合わせください。